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Virgile Haudecoeur
7mn
「視覚型」や「聴覚型」といった学習スタイルに勉強法を合わせても成績が上がらない理由と、研究が実際に効果的だと示す方法
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学習スタイルの神話:本当に効果があるのは何か

  1. 学習スタイル理論が実際に主張していること

  2. 実際に研究者が検証すると何が起きるのか

  3. それでも神話が生き続ける理由

  4. あなたの「好み」が実際に教えてくれていること

  5. 自分のスタイルに合わせる代わりにすべきこと

「あなたは視覚型の学習者だ」「聴覚型の学習者だ」と言われて、それに合わせた勉強法を勧められた経験が一度はあるはずだ。これは教育の世界でもっとも広く信じられている考え方のひとつであり、同時に、実際に検証した研究によってもっとも徹底的に否定されている考え方のひとつでもある。

1. 学習スタイル理論が実際に主張していること

もっとも一般的な形(しばしばVAKモデルと呼ばれる)では、この理論は「人には情報を取り込むための固定的で優位なチャンネルがあり、それは視覚・聴覚・運動感覚のいずれかである」とし、「教材をその優位なチャンネルに合わせて提示すれば学習効果が上がる」と主張する。理屈のうえでは、「視覚型」の学習者は図やタイムラインを使ったほうが歴史をよく学べるはずで、「聴覚型」の学習者は同じ内容を講義やポッドキャストで学んだほうがよく身につくはずだ、ということになる。

直感的にしっくりくる考え方であることも、学校や職場でこれほど広まった理由のひとつだ。そして都合のいいことに、この理論は検証可能であり、実際に検証されてきた。

学習スタイル理論は、教材を自分の優位な感覚チャンネル(視覚・聴覚・ 運動感覚)に合わせれば学習効果が上がると主張する。これは漠然とした 考えではなく、具体的で検証可能な主張だ。

2. 実際に研究者が検証すると何が起きるのか

ここで重要なのは「人には好みがあるかどうか」ではない――ほとんどの人は何らかの好みを申告する。重要なのは「その好みに教え方を合わせることで、実際に学習成果が上がるかどうか」だ。これを正しく検証するには**マッチング仮説(meshing hypothesis)**と呼ばれる手法が必要になる。学習者を申告したスタイルごとに分け、それぞれのグループの半分には好みに合った形式で、残り半分にはあえて合わない形式で教え、実際の学習成果を測定するというものだ。

この設計を用いた複数の研究が、予測された効果を見出すことに一貫して失敗している。内容が申告した好みに合っていても、測定可能なほど学習が良くなるわけではなく、合っていなくても、測定可能なほど悪くなるわけでもない。数十本の研究をまとめたレビューでも、マッチング仮説を裏づける信頼できる証拠は一貫して見つかっていない。理論全体が拠って立つ、もっとも中心的で実践的な主張であるにもかかわらず、だ。

申告した学習スタイルに教え方を合わせることで成果が上がるかを 検証するために設計された研究は、一貫してその効果を見出せていない。 理論全体が依拠するたった一つの主張が、直接検証すると崩れてしまう。

3. それでも神話が生き続ける理由

証拠に裏づけられていないにもかかわらずこの理論が人気であり続けるのは、実際には正しくなくても「正しいように感じさせる」いくつかの要因があるからだ。

  • 好みそのものは本物であり、それが学習に与える影響が本物ではないだけだ。 人が特定の形式を好むこと自体は間違いない事実であり、それに異論はない。裏づけがないのは、「これが好き」から「この方法だと測定可能なほどよく学べる」への飛躍のほうだ。
  • 難しさに対する心地よい言い訳を与えてくれる。 「自分は視覚型の学習者じゃないだけ」というのは、「この内容が難しい」や「まだ復習が足りていない」よりも優しい物語であり、優しい物語のほうが広まりやすい。
  • あとは確証バイアスが仕上げをする。 自分は「聴覚型の学習者」だと信じ込んだ瞬間から、音声が役立った場面ばかりに目が向き、役に立たなかった場面は忘れてしまう。それは証拠のように感じられるが、実際には証拠でも何でもない。

この神話が生き延びているのは、好みそのものが本物で、 心地よい説明が真実らしく感じられるからであって、 中心的な主張が実際の検証に耐えたからではない。

4. あなたの「好み」が実際に教えてくれていること

だからといって、あなたの好みに意味がないわけではない。ただ、理論が主張するような働きをしていないだけだ。動画や図を好むという申告は、確かに意味のある情報ではあるけれど、それは「あなたの脳が情報を独自の方法で処理している」ということを示す情報ではない。

  • それは単に、自分が楽しいと感じるものを映しているだけかもしれない。 これは教材にどれだけ長く向き合っていられるかに影響する、れっきとした効果ではあるけれど、「学習チャンネル」の効果ではない。
  • それは単に、自分が慣れているものを映しているだけかもしれない。 何年もかけて分厚い教科書を読み込んできた経験は、読むことをより効果的に感じさせるスキルを育てる。それは、読書があなたの脳に本質的に合っているということとは別の話だ。
  • それは単に、今の状況でたまたま都合がいいものを映しているだけかもしれない。 通勤中にポッドキャストを選ぶのは「聴覚型の学習者」だからではなく、単に手も目も運転でふさがっているからだ。
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5. 自分のスタイルに合わせる代わりにすべきこと

実際に学習成果を高める方法についての研究は、まったく別の一貫した方向を指し示している。しかも、それは申告したスタイルに関係なく、誰にでも当てはまる。

  • 「自分に合った」形式ひとつではなく、同じ教材に複数の形式を使う。 図と言葉による説明、そして実際に手を動かす例を組み合わせるほうが、たった一つのチャンネルを選ぶより、どんな学習者にとっても強固な理解につながる。
  • どんな形式であれ、受け身の消費より能動的想起を優先する。 動画で学んだ内容は見返すだけより自分でテストしたほうが定着し、読んだ内容も読み返すだけより自分でテストしたほうが定着する。想起することのほうが、入力チャンネルより重要なのだ。
  • 形式は自分にではなく、教材の内容に合わせる。 解剖学や地理、化学構造のような空間的・関係的な内容には、誰が学んでいようと図が本当に役立つし、時系列や物語的な内容には言葉による説明が本当に役立つ。これは実在する効果だが、個人差による効果ではない。
  • 形式選びより、想起と間隔反復に力を注ぐ。 もっとも強い科学的根拠を持つテクニック――間隔反復、能動的想起、交互学習――は、教材が視覚的に、言葉で、あるいは実践的に提示されるかにかかわらず効果を発揮する。

学習を実際に向上させるのは、複数の形式を使うこと、ただ見返す のではなく自分でテストすること、そして形式を個人的な「スタイル」 ではなく教材に合わせることだ。これらは誰にでも効くからこそ、 学習スタイル理論には欠けている裏づけを持っている。

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